今作、唯一のアサモドキで音源化された曲の弾き語りアレンジ。セルフカバーってやつです。せっかくの弾き語りアルバムだから、過去のバンド曲も入れたいなと思ってて目に止まったのがこの曲。リカヲが1番好きな曲って言ってくれてた。僕も好き。
この曲か「棺と理由」で悩んだんだけど、アレンジが上手くハマったので、この曲にしました。別にバンド的には知名度のある曲ではないんだけどね。
これからも弾き語りアルバム出すとしたら、少しずつ昔の曲をセルフカバーしても楽しいかもしれない。
曲って演奏するごとに育っていくと誰かが言ってて、同じ曲でも全然気持ちの入り方が違ったり、歌詞の解釈が変わったりするのが確かに面白いなぁと思う。
まぁ、でもこの曲が1番初めのアルバムに入ってるあたりが僕らしいというか、最初から色々な事に絶望して諦めていて今も大して変わらずに性懲りもなく、こんな曲ばかり作ってるんだなと思うと、少し滑稽に思てくる。吐いて腐るほどのバンドがいる中で、埋もれたくないと願う、それこそありふれた普通の感情。それが素直に歌えなくなったら、僕は音楽を辞めるだろうと思う。誰も言わないようなカッコつけた突飛な事を言うんじゃなくて、この曲みたいに普通の感情を歌う事はやっぱり大事にしたいと思う。
目の前に壁があっても乗り越えようとはせずに、迂回して迂回して遠回りして、結局は引き返してふりだしに戻りながらも今日まで生きて来た。壁を乗り越えて先へ進んでいった人の姿はもう見えない。現在地も不明。目的地だって不明。そしてまた壁。いつかゴールがあるのか、同じ場所をぐるぐる回っているだけなのか。だけど、僕はその遠回りの道の途中で出会えた人や音楽を大事にしたいよ。それが吐いて腐るほどのありふれた考えだったとしてもね。
Comments